2006年 12月 07日
映画「麦の穂をゆらす風」(アイルランド、イギリスほか、2006年) |
この映画に対して「反英国的だ」という非難があったそうだけれど、どの国民にとっても、過去の加害の歴史に向き合うのは勇気がないとできない。
映画の舞台は20世紀はじめのアイルランド。英国軍は、独立運動が高まるのを恐れて、青年たちが集まってスポーツをしていても「集まることは禁じられているはずだ」と連行する。ささいな理由で、簡単に人の命を奪う。確かにこの映画では英軍は横暴を極めている。
イギリス・アイルランド条約が結ばれたとき、「やっと英軍が出ていった。もう殺されない。これ以上争うのはやめよう」と条約を受け入れようとする人。「大勢の人が死んだのに、自由国(イギリスの自治領)で満足するなんてできない」と、独立運動を続けようと主張する人。どちらも痛切な主張なのだが、その意見の違いから内戦が始まる。
民家に押し入った自由国軍のテディ(主人公の兄)は、その家の女性から「英国軍からかくまってやったのに! 何度も食事を振る舞ったのに!」となじられる。今まで助け合ってきた同じ町の人たちが敵と味方にわかれてしまったことを示す場面が印象に残る。
現在、イギリスはイラクに軍隊を派遣している。ローチ監督は、それも頭に置いてこの映画を作ったのだろう。
映画の舞台は20世紀はじめのアイルランド。英国軍は、独立運動が高まるのを恐れて、青年たちが集まってスポーツをしていても「集まることは禁じられているはずだ」と連行する。ささいな理由で、簡単に人の命を奪う。確かにこの映画では英軍は横暴を極めている。
イギリス・アイルランド条約が結ばれたとき、「やっと英軍が出ていった。もう殺されない。これ以上争うのはやめよう」と条約を受け入れようとする人。「大勢の人が死んだのに、自由国(イギリスの自治領)で満足するなんてできない」と、独立運動を続けようと主張する人。どちらも痛切な主張なのだが、その意見の違いから内戦が始まる。
民家に押し入った自由国軍のテディ(主人公の兄)は、その家の女性から「英国軍からかくまってやったのに! 何度も食事を振る舞ったのに!」となじられる。今まで助け合ってきた同じ町の人たちが敵と味方にわかれてしまったことを示す場面が印象に残る。
現在、イギリスはイラクに軍隊を派遣している。ローチ監督は、それも頭に置いてこの映画を作ったのだろう。
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by yasuko_kanda
| 2006-12-07 23:34
| 映画