2006年 11月 28日
魚の顔を見分ける |
『カワムツの夏 ある雑魚の生態』(片野修 京都大学学術出版会)を読んでいます。ありふれた川魚の社会でも、自分の子孫を残すためにオス同士が争って順位がついたり、その順位が入れ替わるなど結構複雑です。ほかのオスから攻撃を受けても、産卵行動中はわざと反撃しないなど、川魚もけっこう頭を使っていて行動も複雑。その行動を見分けている観察も細かい。
著者は数十尾のカワムツを捕まえて1尾1尾の特徴を記録し、標識をつけ、行動を追います。そうして、どのオスとオスが争ってどちらが勝ったのか、どのオスがどのメスと交尾して産卵に何回成功したか記録していきます。私は、観察の結果わかった生態以上に、どうすれば生態を明らかにしていくことができるかの研究作業にたまげてしまいました。いくら標識がついているといっても、水槽の中ではなくて水が流れる川の中にいる魚を何尾も同時に動きを追うのだから、「私だったら絶対まねできない」と思ってしまう。1尾ずつ「シータ」とか「エムエフ」「ユキ」「マツ」など名前までついている。ちゃんと見分けるためなんでしょうが、もう脱帽です。
感心して読みましたが、今日、『教育基本法の精神』(太田尭、大槻健、丸木政臣 旬報社)を読んでいたら、大槻さんの義兄で魚の分類を専門とする京大(この方も京大)の研究者の話が出てきました。そのお兄さんは毎日魚の絵を書いていて、「魚には顔がある。昨夜、昨日描いた魚の夢をみた」と話したそうです。
私たちは身近な動物の生態が分かっていることが当たり前のように思っているけれど、実際はこういう努力の結果として、動物たちはその素顔を人間に見せてくれるんですね。
著者は数十尾のカワムツを捕まえて1尾1尾の特徴を記録し、標識をつけ、行動を追います。そうして、どのオスとオスが争ってどちらが勝ったのか、どのオスがどのメスと交尾して産卵に何回成功したか記録していきます。私は、観察の結果わかった生態以上に、どうすれば生態を明らかにしていくことができるかの研究作業にたまげてしまいました。いくら標識がついているといっても、水槽の中ではなくて水が流れる川の中にいる魚を何尾も同時に動きを追うのだから、「私だったら絶対まねできない」と思ってしまう。1尾ずつ「シータ」とか「エムエフ」「ユキ」「マツ」など名前までついている。ちゃんと見分けるためなんでしょうが、もう脱帽です。
感心して読みましたが、今日、『教育基本法の精神』(太田尭、大槻健、丸木政臣 旬報社)を読んでいたら、大槻さんの義兄で魚の分類を専門とする京大(この方も京大)の研究者の話が出てきました。そのお兄さんは毎日魚の絵を書いていて、「魚には顔がある。昨夜、昨日描いた魚の夢をみた」と話したそうです。
私たちは身近な動物の生態が分かっていることが当たり前のように思っているけれど、実際はこういう努力の結果として、動物たちはその素顔を人間に見せてくれるんですね。
by yasuko_kanda
| 2006-11-28 23:35
| 読書