2012年 10月 17日
映画「天地明察」(2012年、日本) |
原作が面白かったので、どう映像化するかと期待して、「映画館は苦手」という夫を無理に誘って見に行きました。
物語は、算術、天文に通じている囲碁の棋士、安井算哲(渋井春海)が、上司の命令で日本各地で北極星の観測(仰角の測量)をして回り、当時使われていた宣命暦が誤りであり、正しい暦を突き止めるよう命じられ、最終的には安井算哲自身が大和暦を編纂するに至るまでの物語。
前半の、北極星の測量のため、全国を回るあたりまでは良かったが、その後は、「絵になる」ようにするための演出がちょっと派手すぎて、違和感。観測していたら何者か分からない連中に矢を射かけられるという、原作にないエピソードがあるが、誰の指図で行われたことなのか、映画では明らかにならなかった。
算哲が研究して「授時暦」が正しいということを主張したのに、朝廷に認められなかったからといって、「このままでいいのですか!」と水戸光圀に食って掛かったり(殺されるよ、そんなことしたら)、最後に自作の「大和暦」の正しさが、日食を正確に予言できたことで証明されたとき、人前で妻と抱き合って喜んだり(これは今の日本人でも多くの場合抵抗がある行動だと思う)と、当時の人ではあり得ない行動をとったりする演出はいただけなかった。
そして、エンドロールの際「この作品は『天地明察』を原作とはしていますが、史実と違う点もございます」(言葉は正確ではないかも)という意味の文字が出て来た時点で、原作を読んでなくて映画で初めてこの作品に触れた人も興ざめするのではないか。
追記:歴史を描いた小説や映画が、史実にぴったり沿わなくてはならないとは思わないけれど、わざわざ、史実からも原作からも逸れていることの断り書きが必要なつくり方をするくらいなら、映像化すべきだったのかという疑問もわいてくるんだよね。
原作のイメージが壊れる可能性があるからという理由からも、映画館に行きたがらなかった夫には申し訳ないことをした。
物語は、算術、天文に通じている囲碁の棋士、安井算哲(渋井春海)が、上司の命令で日本各地で北極星の観測(仰角の測量)をして回り、当時使われていた宣命暦が誤りであり、正しい暦を突き止めるよう命じられ、最終的には安井算哲自身が大和暦を編纂するに至るまでの物語。
前半の、北極星の測量のため、全国を回るあたりまでは良かったが、その後は、「絵になる」ようにするための演出がちょっと派手すぎて、違和感。観測していたら何者か分からない連中に矢を射かけられるという、原作にないエピソードがあるが、誰の指図で行われたことなのか、映画では明らかにならなかった。
算哲が研究して「授時暦」が正しいということを主張したのに、朝廷に認められなかったからといって、「このままでいいのですか!」と水戸光圀に食って掛かったり(殺されるよ、そんなことしたら)、最後に自作の「大和暦」の正しさが、日食を正確に予言できたことで証明されたとき、人前で妻と抱き合って喜んだり(これは今の日本人でも多くの場合抵抗がある行動だと思う)と、当時の人ではあり得ない行動をとったりする演出はいただけなかった。
そして、エンドロールの際「この作品は『天地明察』を原作とはしていますが、史実と違う点もございます」(言葉は正確ではないかも)という意味の文字が出て来た時点で、原作を読んでなくて映画で初めてこの作品に触れた人も興ざめするのではないか。
追記:歴史を描いた小説や映画が、史実にぴったり沿わなくてはならないとは思わないけれど、わざわざ、史実からも原作からも逸れていることの断り書きが必要なつくり方をするくらいなら、映像化すべきだったのかという疑問もわいてくるんだよね。
原作のイメージが壊れる可能性があるからという理由からも、映画館に行きたがらなかった夫には申し訳ないことをした。
by yasuko_kanda
| 2012-10-17 22:21
| 映画