2011年 10月 12日
映画「ツレがうつになりまして。」(2011年、日本) |
映画『ツレがうつになりまして。』を見てきました。
原作のファンでもあり、主演が宮崎あおい、堺雅人というのも期待。最初に宮崎あおい主演と聞いたときは「かわいすぎるだろ」と思ったのだけど、すでに放映された藤原紀香主演のテレビドラマを思い出した。このときも「藤原紀香じゃ派手すぎるでしょ」とぴんとこなかったが、原作の持ち味を大切にしながらも、藤原紀香の前向きの明るさを生かしたヒロインができていたのに感心したから。今度はどんなヒロインになっているか見たかった。
本来、原作は病気で外出できない夫(ツレ)と家で仕事をする妻(晴子=ハルさん)の話なので、多くは家のなかの場面なんだけど、映画は、主人公の夫婦と周囲の人との関係や、ハルの成長を重視して描いている。ツレの会社の描写のほか、ハルの両親が心配しながらも娘夫婦を見守る様子、ハルと担当編集者とのやりとり、ツレが通う病院で会ったほかの患者など、原作には出てこない設定もあった。
宮崎あおい演じるハルは本当にかわいらしく、生き生きしていた。漫画家としてデビューはしたけれど売れなくて、仕事に一生懸命になれず、夫に支えられるばかりでも仕方ないと思っていたのに、その夫の病気をきっかけに成長していく姿は、若い妻に似つかわしかった。
一方で、ツレの描き方が、原作をていねいに再現してはいるけど、なんだかピンとこなかった。
堺雅人が演じているだけに、優しくてまじめな人なのは表現されている。でも、ぼーっとした表情、食事ができない、ふとんをかぶって泣くとか、うつの症状として現れる行動は描かれるけれど、患者本人の気持ちやつらさがあまり伝わってこないような気がした。
仕事がストレスフルな様子は描かれるけど、それと、うつの症状が表れてくることのつながりがあまり見えないというか。
もともと、原作が「妻の立場から見た夫のうつ」なのだからこれでいいのかもしれないけど。
タイトルの「ツレがうつになりまして。」は、映画では、ハルが、それまで周りに言っていなかった夫の病気を思い切って編集者にきっぱり明かし、「仕事をください!」と頭を下げる場面で使われている。
私は、原作本を読んで、あえてさりげなく「うつ」を打ち明ける言い回しと解釈していたので、思いがけない使い方をしていたのは面白く思った。
映画を見た後で、同じ著者による『イグアナの嫁』を読んだら、実際、彼女は電話口でこの言い回しをつかって、あちこちの出版社に仕事をくれるよう営業活動をしていたらしいので、映画の使い方が事実に近いようだ。
原作のファンでもあり、主演が宮崎あおい、堺雅人というのも期待。最初に宮崎あおい主演と聞いたときは「かわいすぎるだろ」と思ったのだけど、すでに放映された藤原紀香主演のテレビドラマを思い出した。このときも「藤原紀香じゃ派手すぎるでしょ」とぴんとこなかったが、原作の持ち味を大切にしながらも、藤原紀香の前向きの明るさを生かしたヒロインができていたのに感心したから。今度はどんなヒロインになっているか見たかった。
本来、原作は病気で外出できない夫(ツレ)と家で仕事をする妻(晴子=ハルさん)の話なので、多くは家のなかの場面なんだけど、映画は、主人公の夫婦と周囲の人との関係や、ハルの成長を重視して描いている。ツレの会社の描写のほか、ハルの両親が心配しながらも娘夫婦を見守る様子、ハルと担当編集者とのやりとり、ツレが通う病院で会ったほかの患者など、原作には出てこない設定もあった。
宮崎あおい演じるハルは本当にかわいらしく、生き生きしていた。漫画家としてデビューはしたけれど売れなくて、仕事に一生懸命になれず、夫に支えられるばかりでも仕方ないと思っていたのに、その夫の病気をきっかけに成長していく姿は、若い妻に似つかわしかった。
一方で、ツレの描き方が、原作をていねいに再現してはいるけど、なんだかピンとこなかった。
堺雅人が演じているだけに、優しくてまじめな人なのは表現されている。でも、ぼーっとした表情、食事ができない、ふとんをかぶって泣くとか、うつの症状として現れる行動は描かれるけれど、患者本人の気持ちやつらさがあまり伝わってこないような気がした。
仕事がストレスフルな様子は描かれるけど、それと、うつの症状が表れてくることのつながりがあまり見えないというか。
もともと、原作が「妻の立場から見た夫のうつ」なのだからこれでいいのかもしれないけど。
タイトルの「ツレがうつになりまして。」は、映画では、ハルが、それまで周りに言っていなかった夫の病気を思い切って編集者にきっぱり明かし、「仕事をください!」と頭を下げる場面で使われている。
私は、原作本を読んで、あえてさりげなく「うつ」を打ち明ける言い回しと解釈していたので、思いがけない使い方をしていたのは面白く思った。
映画を見た後で、同じ著者による『イグアナの嫁』を読んだら、実際、彼女は電話口でこの言い回しをつかって、あちこちの出版社に仕事をくれるよう営業活動をしていたらしいので、映画の使い方が事実に近いようだ。
by yasuko_kanda
| 2011-10-12 23:44
| 映画